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日々雑感
幸せは日々の雫のような時の中にある。
毎月の、つれづれなるままに……
2013.04.26 Friday

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牛若参上

最新の夫のあだ名を命名、その名も「牛若丸」。
ご存知だろうかこの歌「♪京の五条の橋の上,大の男の弁慶が」というのである。「♪牛若丸は飛びのいて、ここと思えばまたあちら」燕のような早業に大の弁慶が降参するという歌、命名にぴんときたのは、「♪ここと思えば、またあちら」のフレーズ、まさに夫のある日ある時間だ。お天気がいいとこれがまあ すごいことに、
光に誘われ、テラスにでて少々薹のたった小松菜や大根の花を収穫してくる。 この花、和え物やサラダに散らしたり、硬い茎と共に私の野菜ジュースのもとになる。何しろ我が家の小さなテラス菜園で冬も越えたいじらしい子(育てると この愛です)。ひげ根も穴あき葉っぱも薹立ちの茎も愛おしくて捨てられません。
 確か夫はそのテラスにいたはずと 掛かってきた電話をお待たせして呼びにいくと、はや夫は庭に出て若芽を愛で、入れ替わった樫の木の落ち葉を掃き寄せている。かと思えば とんとんと金槌の音、今度はアトリエ(夫の木工場)だと思ったら、
またもやテラスで植木棚の修理、 「ああいい日やなあ、今年はバラが成績優秀、冬の手入れがきいてるなあ」と目を細めている。こんな訳で、ご近所さんが夫を訪ねてくださっても「お父さんどこですかあ」と家の中で行方不明となった夫を探すことにあいなる。
まるで彼方此方に隠れ部屋のある忍者屋敷に住んでいるよな不便さ、屋敷は狭いし仕掛けもないが夫が忍者いえ「ここと思えばまたあちら」の牛若丸なので、こちらもあれこれ予測して動く
奥義を窮めるわけでなかなか鍛えられる。
外出用靴、作業用靴、仮履き用つっかけ靴もある、ということは家にいるはず、呼んでも返事がない「牛若はいずれに」とここで考える。「庭履き・・・・あっ ない」 ということはひょっとしてアトリエの階段の奥と想像する。正解!奥の漆部屋(一人入れば満員)に見つける。牛若殿参上、とまあこんな具合なのでこのあだ名がついた。なぜ庭下駄を履いてアトリエとなるのか、夫は庭で木々の成長に目を細めていた。そこで作業途中の美しい漆のできが気にかかり、そのまま階段を上がり、漆部屋へ直行したといったところだ。洗面所で歯磨きをしていたはずが消えた。
ひょっとしてと見るとお風呂場で洗面器とにらめっこ、ただいま夫は活水機による水の粒子の働きを実証しようとしております。
洗剤なしで汚れが落ちるを確かめているのです。
お陰で冬物衣類が漬け置きの洗濯実験でほとんど洗濯屋さんのお世話にならずに片付いていきます。
 70歳を越えると何故かやりたいことが一気に押し寄せてくる。時間がたりない。一日一日は矢のように去っていく。
まして夫のようにまるで少年のごとき探究心が湧き上がる人は大変だ。夫のこの部分は孫と同じで、8歳頃の少年の気持ちがよく分かるのか付き合い方を見ているとなるほどと感心する。
 つい先日は自転車に乗って河内長野市中のサイクリングに付き合った。その距離半端なものではなく、市役所、消防署各所など孫の日ごろのテリトリーが分かった。つづいて高向、お腹が空いてきて昼食はおうどんやさんにしたとか、建設中の赤峯トンネルから広野を抜けぐるっと一回りしたそうな、「動きたいはスイミングに行くとか、体操クラブやないなあ、自分の好奇心、探究心とともにあるんや」と今少年を見て、昔少年が納得している。
 この日は新学期が始まって、数日後で孫の何とは言えない心の揺れ動きがこのじいじとの一日で少し収まった。
 ただ牛若殿、その後「ああ、もう付きあえんわあ、大きなったなあ」と嘆息、実はサイクリングの後は野球にサッカー、その上
寺が池一週というおまけつき、もちろんこの日の夜は早寝で朝までぐっすりの牛若でした。

 
 

 
 
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