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日々雑感
幸せは日々の雫のような時の中にある。
毎月の、つれづれなるままに……
2011.09.21 Wednesday

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癌ちゃん作戦第2弾

  我が家は馬を飼っている。
馬には人参が山ほど必要で買いだし係の夫は大変。
「どうしはりましたんや仰山の人参ですなあ」ときかれる。
実は私がその馬なのだ。これ私の癌ちゃん作戦第2弾。
今や二人に一人は、癌ちゃんと付き合っている時代だそうだ。
究極の生活習慣病とかでお酒もタバコも飲まない私には、思い当たる自覚はない。亡くなった父など「我が家は癌筋やないから安心してたらいい」などと根拠のないことを言っていたから今頃天国で苦笑していることだろう。
生活を見直すチャンスといわれて考えるに、独楽鼠みたいな時間と心の使い方をしていたような気もする。決して象さん的ゆったり時間ではなかった。
手術を前に竦む私にHドクターは「手術できて良かったよ、もし転移していたら手術もでけへん」と目をむき、人懐っこい笑顔で後押ししたのだ。
その笑顔で、ガッツポーズしながら、手術室から出てこられたHドクターを見て夫や娘、弟、妹夫婦はほっとしたらしい。
縦に切腹ラインがはいった。
脾臓、胆嚢、胃リンパ節を摘出、心配した膵臓、腹膜の転移はなく肉眼的には全部とれたというのがドクターの笑顔のもと、腹腔内ポートを入れることもなく済んだ。
麻酔の前、ぎりぎりまで意識を集中させて手術室見学をと思っていたのにたちまち深い眠りに落ちて、気がついたらベッドの上でパジャマを着て、管を3本ほどつなぎ、お供の機械たちと手術室の出口にいた。家族の笑顔が見えて私も笑った。
インホームドコンセプトというのを経験した。
告知はいまや当然のことで患者にとっては酷知であっても医療側からは疑問がなげかけられない。
起こりうるあらゆること、中にはぞっとするようなことをプリントとともに説明される。そして同意書にサインとなる。多忙なドクターも大変だが、理解しようと目を白黒させる患者も大変だ。
「始めまして癌ちゃん」と何もわからず出会った途端、ガーンとまず強力なパンチがきて、これがよく効いて「なかなか手強い奴め」とはっとし、じたばた何ができるのか作戦会議、知りたいことは山ほどあるけど日常口にしたこともない未経験の医療言語、予習をしてもぴんとこない、すべて、ただいま勉強中、いえ これから勉強中のことだもの。
抗がん剤は私の身体が拒否した。
そこで癌ちゃんが暴れない身体づくりというので食事療法に取り組むことにした。
入院中は夫が玄米がゆを炊いて運んでくれた。
今は玄米菜食を主にできるだけ塩分油分を控えて調理、人参を基盤に野菜果物の生ジュースを一日1リットルは頂く。
これが馬飼料の所以。
  ある日の献立、玄米御飯、これは必ず夫が炊いてくれる。
洗ってざるに上げ少し時間を置いてから玄米を炒る。
狐色に炒り上げてから冷まし、これを炊飯器で炊く。
香ばしくておいしい御飯になる。必ずふりかけるのが黒ゴマ、手作りのぬきご、人参ふりかけ。
おだし、これはびんに水と昆布と椎茸、鰹節、煮干をつけて常に用意してある、この出し汁で炊いたかぼちゃの煮物、汁物は刻んだ昆布、ごぼう人参豆腐えのきだけ仕上げに大好きな菊菜、この菊菜の香りで味付けがなくてもおいしくいただける。納豆、蕪蒸し
「かむ、かむ、かむ、かむ、よくかんで、いただきましょう、のこさずに」子どもの歌そのまま1時間かけて頂いている。

 

 
 
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